塔型燭台 |
あかりといえば、暗いところを照らして明るくするという機能的なこともありますが、仏教では暗い迷いを取り除いたり、暗い気持ちを明るくする智慧を表す光ということで大切にされます。お釈迦さまの「自らを灯明とし、法を灯明とせよ」という「自灯明の教え」は有名ですし、ロウソクは三具足、五具足のひとつで荘厳には欠かせないものです。
一般的に「ロウソク立て」のことを燭台(しょくだい)とも呼びます。塔形、竹竿形、菊燈、鶴亀、多燈形などの種類があります。寺院でよく見かけるのは、塔形ではないでしょうか。七重、九重にお餅を積み重ねたような形をしています。須弥壇の大きさに併せて大きさは様々です。また、竿の部分に竹を使用したり、竹の節に形どった竹竿形燭台もあります。菊燈は、菊の花形をした台座にロウソクを立てられるものです。鶴亀燭台は、真宗大谷派の寺院で用いられるもので、亀の形をした台の上に鶴が立っていて、その鶴のくちばしには蓮華の茎でつくられた燭台をくわえています。多燈形燭台は、何本もロウソクを立てられるようになっていて、大勢の参詣者がロウソクを供えられるように作られたものです。壇状、宝珠、円相の形をしています。
いずれにしましても、照らし照らされ明るく暮らすことが大切ですよね。「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」です。今日も楽しい一日を。