南無~

 いいお天気で気持ちよい京都東山です。今朝は気温がぐっと下がりましたよ。さて、仏さまに手を合わせて拝んだり祈ったりする時は何とお唱えすればよいですか、とか南無阿弥陀仏でよろしいですか、などと尋ねられることがしばしばあります。その仏さまが阿弥陀さまでしたら「南無阿弥陀仏」でよいのですが、違う仏さまだと仏さまのお名前を変えなければなりません。

 まず、「南無」の意味なのですが、インドの人びとは合掌して「ナマス・テー」とあいさつされますよね。これは「あなたに敬礼します」という親愛と尊敬を込めたことばで、出会った時も別れる時も「ナマス・テー」とあいさつします。このナマスのことを「南無」と表します。方角のことではなくて、音写なのですね。南無とは、敬礼、おまかせします、帰依しますなどという意味になります。例えば、「南無阿弥陀仏」でしたら、阿弥陀さまにおまかせしますということになります。

 ということから、お寺へお参りされたときは、おまつりされている仏さまをまず確認しましょう。お釈迦さまなら「南無釈迦牟尼如来」、お薬師さまなら、「南無薬師瑠璃光如来」、阿弥陀さまなら「南無阿弥陀仏」、観音さまなら「南無観世音菩薩」などとなるわけです。

 ちなみに、マンガ「一休さん」などで、困った場面になると「南無三(なむさん)」と唱えていますが、これは、「南無三宝(なむさんぼう)」のことです。三宝とは、仏・法(仏の教え)・僧(仏教教団)のことで、仏教の大切な要素なので、「たすけてください」とか「お智恵をください」とかいう意味になります。オー・マイ・ブッダ!といったところでしょうか。今日も楽しい一日を。