菊供養会

 いいお天気の京都東山です。気温が下がったようで少々寒く感じます。さて、今日は観音さまのご縁日ですが、浅草寺では「菊供養会」が開催されています。浅草寺のホームページには、【奥田貫昭貫首の法話「観世音菩薩と菊慈童」をきっかけとし、明治31年(1898)より始められた行事である。「観世音菩薩と菊慈童」は次のような話である。中国の周王朝の穆という国王の召使「慈童」が、落ち度から深山に追放となった。それを憐れんだ国王は『観音経』経文の一部を慈童に授けた。慈童が経文を菊の葉に書き記しておいたところ、その葉に滴る雨露が霊薬となって、慈童は不老長寿を得たという。菊供養会の当日、ご信徒は持参した献菊(小菊)とすでに本堂に献花された下供菊を交換して持ち帰る。この下供菊を陰干しして枕の中に入れると、頭痛が去り、災厄を除くと信じられている。また、この日は菊をかたどった「菊のお守り」が授与される。】と書かれてあります。

 ところで、菊と言えば、仏さまにお供えする定番のお花ですよね。調べてみますといろいろといわれがあるようです。まずは、他の花よりも長持ちするからのようです。気軽に行いけないお墓には、少しでも長く咲いていてほしいですよね。仏壇では手間がかからないですし。それから、菊の花は天皇家のご紋に使われているところから、仏さまに対して最高のお花をお供えするということです。ちなみに、花言葉は「高貴」「高潔」だそうです。また、中国の文化ですが、重陽の節句のように菊の花で邪気払いをするという意味もあるそうです。

 実際のところ仏教では菊でないといけないという決まりはなく、四季折々のお花をお供えすればよいことになっています。ただ、菊の花は種類がいろいろあって、供える場所によって適切な大きさの花を選べますし、このような意味づけもできるので、多くの方に認められた花にはちがいないようですね。今日も楽しい一日を。