ハギ

ハギ
 いいお天気の京都東山です。境内ではハギが咲いています。その昔、西行法師が慈円にミヤギノハギを献上したことになっていますので、寺周辺に自生しているハギはその子孫ではないかと考えています。

 ハギは、日本および東アジアに自生するマメ科ハギ属の落葉低木の総称で、単に「ハギ」とだけ呼ばれる植物は存在しないのだそうです。その種類としては、ヤマハギ(山萩)、ミヤギノハギ(宮城野萩)、メドハギ(筮萩)、キハギ(木萩)、シラハギ(白萩)などがあるようです。7~9月頃に花を咲かせます。高さは、1~3mくらいです。私からすると、雑草のようにあちらこちらに力強く生えているように見えます。

 ハギの花言葉は「思案」「内気」「柔らかな心」「柔らかな精神」です。葉は、乾燥させてお茶にすることができるそうです。また、着物や花札などに絵柄としても使用されていますよね。

 ハギといえば、ここのブログではお馴染みのお話ですが、秋のお彼岸にお供えするお菓子の「おはぎ(御萩)」は、表面に浮かぶアズキの粒をハギの花が散る様子に見立てて「萩の餅」と呼んだことに由来します。一方、春のお彼岸では、ボタンの花にちなんで「ぼたもち(牡丹餅)」と呼ばれます。どちらもお餅をあんこで包んだお菓子ですが、「おはぎ」の方は、収穫したばかりの柔らかいアズキを使うため、粒あんです。「ぼたもち」は、前の年のアズキで作るため、硬くなった皮を取り除いた、こしあんとなっています。

 中秋の名月の時には、ハギとススキを供えられた方もおられるのではないでしょうか。いよいよ秋本番ですね。今日も楽しい一日を。