亥の子

火舎香炉
 10月に入りました、晴れ空の京都東山です。暦を見ますと今日は「新亥の子」です。「亥の子」について私は知らなかったので調べてみました。まず、昔は旧暦でしたので、「新」と書いてあるのですね。

 亥の子とは、もともと中国で、旧暦10月亥の日、亥の刻(夜9時から11時頃)に穀類を混ぜ込んだお餅を食べて無病息災を祈る習慣があり、それが日本の宮中行事に「御玄猪」(亥子餅つきの儀式)として取り入れられたといわれているようです。その後、貴族や武士へと広がり、やがて民間行事としても定着していきました。亥の子の日には、「亥の子餅」を食べ、無病息災・家内安全や、多産の猪にあやかって子孫繁栄を祈ります。農村では、刈入れが終わる時期なので、収穫祝いと神さまに感謝する行事が催されるそうです。

 ちなみに、京都市上京区には、「いのしし神社」として親しまれている護王神社があり、毎年11月に亥子祭が営まれます。平安絵巻さながらの雅な儀式なので、多くの方が来られるのですが、コロナの関係で今年はどのような開催になるのか気になるところです。

 ところで、猪といいますと、寺社では、建物や仏具などあちらこちらに猪目模様といって、ハート型を上下逆さにしたような透かし文様を見つけることができます。こちらは魔除けとして使われています。お寺参りの際に探されてみてはいかがでしょうか。今日も楽しい一日を。