暑さ寒さも彼岸まで

 概ね晴れの京都東山です。天気予報では午後から下り坂となっています。彼岸明けの雙林寺界隈は、お盆の時もそうですが、大谷さんのお墓参りが終わって、ひっそりとしています。

 さて、蝉の声もいつしか消えて、夜中になると秋の虫の声が聞こえます。朝晩も涼しく感じられるようになり、「暑さ寒さも彼岸まで」の慣用句がぴったりな時期になりました。この慣用句、ウィキペディアにも載っているとは知りませんでした。意味としては言葉通り「冬の寒さは春分頃(3月20日前後)まで、夏の暑さ(残暑)は秋分頃(9月20日前後)までにはそれぞれ和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味です。

 いまさらですが、お彼岸とは、春と秋に訪れる春分の日あるいは、秋分の日を中日として前後の3日を合わせた1週間のことです。この期間には、六波羅蜜のお修行や、お墓参りに行ったりしますし、春分・秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈む日ですので、「観無量寿経」というお経には、沈みゆく太陽を拝み、その方角にある西方極楽浄土を想いなさいと説かれています。「彼岸」とは、いわゆるあの世、極楽浄土のことで、「波羅蜜」は「向こう岸へ渡る」という意味です。六つの修行であの世へ行こう!みたいな感じですかね。ちなみに、私たちの暮らしている世界は、此岸(しがん)といいます。

 また、「暑さ寒さも彼岸まで」は「辛いこともいずれ時期が来れば去っていく」という意味でも使われていますよね。「諦めずにがんばりましょうよ」などと励ます言葉にも使ったりします。このことは、日常であれこれ思い悩むことがあっても、六波羅蜜のお修行を積めば、心は和らぐよという意味も込められているように思います。

 いずれにしましても、これから「〇〇の秋」ですよ。読書?食欲?スポーツ?いろいろありますけれども、充実した毎日をお過ごしくださいね。今日も楽しい一日を。