五山送り火

 

 どんよりとした曇り空の京都東山です。今夜は夏の夜空を彩る「京都五山送り火」です。「大文字焼き」ではなく、「五山送り火」と呼びますね。今年は通常通りの実施となりました。雙林寺周辺からも五山すべてではありませんが、木々の隙間から辛うじて鑑賞することができます。

 五山送り火はお盆にお迎えしたご先祖さまをお送りする送り火を意味しています。また、これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財に指定されています。起源ははっきりとわかっていないようで、江戸時代中期には現在の形になっていたといわれています。東山如意ヶ嶽の「大」の字が午後8時に最初に点灯し、左へ「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と5分ごとに点火されていきます。それぞれ約30分間点りますが、風の強さや雨などによって、しっかりと点灯しない年もあります。

 ちなみに、大の字の火床は75箇所、第1画の長さは80m、第2画は160m、第3画は120mあります。大文字の火床は、江戸初期には、杭を打ち、その杭に松明を結びつけていましたが、寛文・延宝の頃より現行の積木法に変わりました。自然の山膚(山の斜面)に若干土盛し、大谷石を設置し、その上に薪を井桁に組んで積み重ね(高さ約1.3m)、その間に松葉を入れます。大の中心には金尾と称して特別大きく割木を組んで入れて点火します。

 この大文字山は標高約300m程で銀閣寺の門付近から普段は歩いて登れますので、火床など確認することができますよ。もちろん、京都市内が見渡せる絶景付きです。私は小学生のときに遠足で初めて登りました。

 今夜の天気が気になるところですが、テレビ(NHKBSプレミアム・KBS京都)で準備や点火の様子などが放送されますので、鑑賞されてみてはいかがでしょうか。今日も楽しい一日を。