桔梗姫

 

 曇り空の京都東山です。夕方から雨が降るとか降らないとか。さて、今年も境内では桔梗の花が咲いています。秋の七草に数えられているのですが、6月くらいから咲く花だったのですね。

 桔梗について調べていますと、「桔梗姫」にまつわる伝説がありました。地域によってバリエーションがいくつもあるようですが、概ね、次のようなお話です。桔梗姫とは、平将門から最も寵愛をうけた愛妾だったのですが、敵と内通して平将門の秘密を漏らしたために、平将門は討たれてしまい、後に桔梗姫自身も悲劇の死を遂げたというものです。そして、桔梗姫が亡くなった場所には、桔梗が咲かなくなってしまったということです。

 バリエーションのひとつに、平将門が討ち死にしたあと、桔梗姫も後を追い、御殿の前にある沼に身を投げて入水自殺をしてしまいます。その沼の跡地には水田がつくられるのですが、水田を管理する家の娘に不幸が続き、これが桔梗姫の呪いだといわれるようになり、村で共同管理されるようになったとか、その村では桔梗を植えなくなったという話もあります。

 ところで、桔梗の花言葉は「永遠の愛」、「誠実」、「気品」などです。また、桔梗は「更に吉」と書くので、語呂合わせから縁起をかついだりします。さらに、明智光秀の家紋でもあるので、裏切りの紋とされたりと、桔梗の花にまつわるお話はいろいろとあります。しかし、これらのお話は人間が勝手に言っていることなので、桔梗にとってはただ花を咲かせているだけで、何にも関係ないお話ですよね。今日も楽しい一日を。