閻魔賽日

 今朝も曇り空にて蒸し暑く、時折、雨が降る京都東山です。今日は聖天さまのご縁日ですが、毎月16日は、閻魔さまのご縁日でもあります。特に1月と7月の16日は「閻魔賽日」という特別なご縁日となります。「地獄の釜の蓋も開く」日とされ、昔は、商家などに勤める奉公人たちの休日で、閻魔堂に参詣したり、芝居などを楽しんだりしたそうです。
 ここで素朴な疑問が生まれました。地獄の釜とは、地獄絵図に描かれている常に鬼が罪人を釜茹でにしているあの釜のことですよね。しかし、その釜に蓋は描かれていないように見えるのですが、もしかすると、違う蓋かもしれないので、ちょっと調べてみました。
 浄土宗大辞典には「正月一六日とお盆の七月一六日の休日、いわゆる藪入りを指すことわざ。この両日は閻魔の斎日である。地獄の釜は、地獄で罪人を煮えたぎらす大釜のことで、そうした地獄の釜の蓋も一年に二度は開いて、閻魔大王配下の鬼の獄卒たちも仕事を休むとされる。これにならって、常日頃働きづめの人も、この日ばかりは心身を憩い、休日とするわけである」とありました。
 仕事を休む日で釜茹でを止めるのなら、「開く」ではなく「空く」ではないのでしょうか。おまけに、「釜の蓋も」って、他にも開くところがあるのでしょうか。んー、謎は深まるばかりですよ。今日も楽しい一日を。