水無月

時事雑多

仙太郎　水無月
　朝から暑くよく晴れた京都東山です。毎年６月３０日は、今年一年の折り返し地点ですね。各地の神社では「夏越の祓」が行われ、これまでの半年分の穢れを祓い清め、残り半年間の無病息災を願います。併せて「茅の輪くぐり」も実施されています。

　京都では「水無月」という和菓子をいただく風習があります。水無月とは、氷を表した涼しげな三角形の和菓子です。

　その昔、旧暦の6月1日を「氷室の節句」と呼び、「氷室開き」をするならわしがありました。氷室とは、今でいう冷蔵庫の役目を果たす倉庫のことです。そこから氷や雪を取り出して、天皇に献上する伝統行事で、暑気払いとして、その氷をひとかけ食べるというものでした。

　当時の氷は非常に貴重なもので、氷に手が届かない庶民が代わりに作ったものが「水無月」の始まりなのだそうです。白いういろうを氷のかけらに見立てて三角形に切り、上には邪気払いの小豆あんを載せて作られています。最近では、抹茶味にほうじ茶味、黒糖味なども開発され、バリエーションも豊富になっています。

　水無月を食べて、うっとおしい梅雨が明けて、祇園囃子が聞こえると、いよいよ京都は夏本番を迎えることになります。コンコンチキチン♪コンチキチン♪今日も楽しい一日を。