お薬師さまご縁日です。

左手の第4指にご注目
 雲ひとつない快晴にて爽やかな朝の京都東山です。今日はお薬師さまのご縁日です。正式には「薬師瑠璃光如来」と申しまして、東方浄瑠璃世界の教主で、ご誓願のなかに「除病安楽」が説かれてあり、代表的なご利益に「病気平癒」があります。妙薬が入った薬壺をお持ちなのは有名ですね。瑠璃世界の仏さまなので、ラピスラズリのペンダントや腕輪念珠を着けてお参りされる方もおられます。

 ところで、お薬師さまでおもしろいお話があります。手の指で、親指から数えて4番目にある指をなぜ「薬指」と呼ぶのかご存じでしょうか。延暦寺では、お薬師さまが右手の第4指を曲げている事に由来しているという説明をされていました。Wikipediaにもそのように書いてあります。

 ところが、雙林寺のお薬師さまは曲げておられないのですよ。少々がっかりしまして、では左手はどうなんだろうと素朴な疑問で確認してみましたところ、なんと、4番目の指を立てて薬壺を持っておられるように見えるのです。極端に表現しますと、親指と薬指で挟むようにしてお持ちなのですよ。それに、寺に伝わる版画の御身影も右指は普通に、左の薬指はどれよりも長く描かれているのです。根拠めいたものはわかりませんが、お薬師さまの4番目の指にはなにか秘密が隠されてありそうです。

 ということで、お薬師さまを拝まれる時には、まず、4番目の指がどうなっているのか確認されるのもおもしろいかもしれませんね。今日も楽しい一日を。