花まつり

花御堂
 いいお天気の京都東山です。雙林寺周辺の桜はただ今満開で、多くの花見客が来られて込み合っています。いわゆるマンボウは明けたとはいえ、来られる場合は、感染対策十分でお願いします。

 さて、4月8日はお釈迦さまのお誕生日ですね。全国の寺院では灌仏会、花まつりなどといわれる法会が執り行われます。雙林寺でも、お大黒お手製の花御堂を設えました。

 お釈迦さまのお誕生のご様子については、このような有名な伝説が残っていますね。お釈迦さまは、スッドーダナ王とマーヤー夫人の間に人間としてお生まれになりました。このマーヤーが子どもを授かったのが、30歳のころで、臨月近くになったので象に乗って里帰りをすることになりました。その途中、ルンビニーというきれいな園で休憩をされます。象を降りますとちょうどそこにきれいなアショーカの花が咲いていました。マーヤーは、この花をとろうと手を伸ばしたその拍子に、後のお釈迦さまとなられる赤ちゃんをお生みになりました。

 この赤ちゃんは、何とマーヤーの右脇の下から生まれてきたというのですよ。さらに驚くべきことに、すぐに立ち上がり、前後左右、上下にも7歩、歩いたというのです。そして、右手を上げて天を、左手は地を指して、「天上天下唯我独尊」とおっしゃったというのです。ハイハイもバブバブもせず、いきなり歩いてしゃべるというとんでもないスーパー赤ちゃんだったのです。

 この「天上天下唯我独尊」ですが、「天にも地にも尊いのはただ我のみ」のように言われていますが、私は、「自分と同じように誰もみな尊い」と解釈しています。偉大なお釈迦さまが自分だけが尊いなどとおっしゃるはずがありません。

 その時のお姿のお像を「誕生仏」とお呼びして、4月8日のお誕生日におまつりいたします。お釈迦さまのお誕生に産湯を使わせるために9つの竜が天から清浄な水の雨を降らせて浄めたとの伝説に由来して、杓で甘茶をお像に潅いでお祝いします。

 昨今、コロナの影響で杓の共用が出来ないところもありますが、お参りで誕生仏が祀られていましたらお祝いしていただければと思います。今日も楽しい一日を。