よく見ましょう

 いいお天気の京都東山です。今日は、香淳皇后(昭和天皇の后)のお誕生日です。香淳皇后といえば、現青蓮院ご門主のおばさま(御父上の姉君)にあたる方です。亡くなられて、もう22年も経つのですね。

 さて、私は、積極的にキャッシュレスに取り組んでいまして、できるだけスマートフォンで決済するように努めています。財布を持たずにスマートフォンを財布にするようにしています。物品購入に飲食代に公共交通機関と、最近では電子チケットを利用することもあります。なかには、「キャッシュレスで決済してください」と希望してくるお店も出てきましたね。スマートフォンをタッチする決済方法は簡単でよいのですが、QRコード決済ですとアプリの操作が必要で、字が小さいうえにさまざまな項目が表示されていますので、よくよく見なければならず、少々苦労します。

 寺では「呼び出しボタンを押してください」と表示しているにもかかわらず、本堂に入ってくる方や、参拝料をお願いしているにもかかわらず、納められない方もおられます。「こちらにご案内させていただいています」と、案内板を指し示しますと、大概、「見えませんでした」とお答えになります。昨日は、「石碑の建立の年は裏側に書いてありますよ」と説明したのですが、「書いてなかった」とおっしゃいます。そこで、一緒に確認に行きますとちゃんと書いてあるのですよね。

 お釈迦さまは「正見」といって「ものごとを正しく見よう」と仰られています。正しく見て、正しく判断する、正しく観察するということです。「見る」ということは簡単なことのようでいて、意外と見ていないものです。周りが見えていないよとか、その見方は間違ってるよとか、いろいろ言われますけれど、見て気が付くことが大切ですよね。そのためにも、まずはじめに自分の気持ちを落ち着けて、じっくりとしっかりとよく見ないといけませんよね。今日も楽しい一日を。