お香

香久
 薄曇り空の京都東山です。さて、昨日は「お香の日」でもありました。日本書紀の中に、お香に関する最古の記述「595年4月、淡路島に香木が漂着した」とあり、「香」の字を一十八日に分解して、「18日」と解釈することで、全国薫物線香組合協議会が制定したそうです。

 お香は、それより以前、538年仏教の伝来とともに大陸から伝えられたと言われています。お仏前を浄めたり、邪気を払う意味で、お寺では欠かせないもののひとつです。ちなみに、寺で日常的に使用するお香は4種類あります。

 まず、みなさまにも馴染み深い「焼香」ですね。沈香、白檀、丁子、鬱金、竜能の五種類の組み合わせで作られますが、七種類、十種類と、いろいろな香木や香草などを細かく刻んで混ぜ合わせてあります。次に、長時間焚き続ける用には「抹香」があります。火舎や、柄香炉で使用します。抹香は沈香、白檀などを混ぜて細かい粉末にしてあります。コの字の連続や渦巻き状にセットして焚きます。昔は、時香盤といって、お香で時間を計っていたそうです。そして、塗香です。身体に塗るお香です。身を浄めたり、邪気を寄せ付けないなどと言われていますが、実際には直接身体に塗ることはなく、塗るお作法で済ませます。また、仏さまにもお供えします。あとは、長い線香ですかね。6時間くらい燃えるものもありますよ。   

 最近ではフローラルの香りなど、様々な香りがするお香があります。また、お香は見た目にもカラフルで、におい袋はおしゃれです。箪笥の中にいれて、虫除け用と言うのもあります。におい袋を鞄に入れておくとか、直接火を点けるスティックタイプのものが手軽にお香を楽しめるものではないかと思います。京都の松栄堂さんのホームページに詳しく紹介されていますよ。ちなみに雙林寺は、祇園尾張屋さんで仕入れてます。わたしの書斎では「香久」なる伽羅香を焚いています。

 お香を焚くとゆったりとした気分になります。また、いつもとちがう部屋に思えたり、お手洗いも清潔に感じたりするので、試しに始められてみてはいかがでしょうか。今日も楽しい一日を。