祇園精舎はどこに?

 晴れ空の京都東山です。さて、今日はお釈迦さまが亡くなったとされる釈迦入滅の日で、全国の寺院ではお釈迦さまの遺徳を偲ぶ法会や涅槃図の公開などが行われます。元々は旧暦の2月15日ですが、明治以降は月遅れの3月15日に涅槃会を行うようになった寺院もあります。
 ところで、雙林寺には鹿ケ谷の陰謀に関係した平康頼が止住していたり、周辺には祇園女御塚、忠盛灯籠と平家物語ゆかりの史跡があります。もしかすると、平家物語の冒頭部分で有名な「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の「祇園精舎」も名前からして八坂神社付近にありそうなのですが、これはインドにあるのですよね。

 祇園精舎は、正式には、祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎっこどくおんしょうじゃ)といいます。古代インドのコーサラ国のシュラーヴァスティーという都にスダッタという長者が住んでいました。ある日スダッタはお釈迦さまのお説法を聞いて仏教に帰依します。そしてこの教えを多くの人に弘めようと、寺を寄進することにしました。長者は私財を投じて、ジェータ太子の所有している園林を買い取り、お釈迦さまと教団のために7層からなる寺を建てました。このお寺が祇園精舎なのです。ジェータ(Jeta,祇陀)太子の園林なので、祇園と漢訳されたのですね。

 都の南門から南へ1200歩のところにあったそうで、寺には門があって、周囲の池は清らかで、樹木が生い茂り、色々な花が咲いていたそうです。98の僧伽藍があったとのことなので、かなり広大で賑わやかな大寺院であったようです。ところが、その約200年後には、荒廃してしまっていたそうです。現在は広大な遺跡公園として整備されています。

 実際の祇園精舎には鐘はありませんでしたが、1981年に日本の「日本国祇園精舎の鐘の会」が梵鐘と鐘楼を寄贈し、祇園精舎の遺跡近くの公園に設置されたそうです。

 そういえば、今テレビでは、平家物語のアニメが放映されていますね。今日も楽しい一日を。

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