つらつら聖天信仰

 今朝はうっすらと積雪の京都東山です。さて、聖天さまの信仰をはじめますと、聖天さまは昼夜関係なく24時間常に私たちに寄り添ってくださり御守り下さいます。しかし、私たちは日々忙しいので、報恩感謝のためにお寺へ参詣に行くことはなかなかできないものです。わかってはいますけれど、気づけば聖天さまのことさえも忘れ勝ちになっているなどということも起こりうることです。

 そこで、聖天さまを自宅にお祀りして、読経など朝夕のお勤めを行い、報謝と祈りを捧げ、自らの信仰も深めていこうと考えることは自然なことで、そうすることで御利益も頂戴しやすくなるとも思えます。ところが、聖天さまは秘仏でいらっしゃいますから、御尊像をお祀りする事は控えて御札や御守にしたほうが賢明なのです。御札では何となく頼りないから、御尊像をお祀りしたいとお考えの方もおられますが、私たちが聖天さまとどのように接するのかが重要なところですので、ただただ、御尊像を自宅にお祀りしているからという安心感だけではいけないのです。もしもどうしても御尊像をお祀りしたいのであれば、日頃のお勤めはもちろんのこと、縁日などには浴油での御供養を行うなど、それ相当のお祀りをしなければなりません。これは一般のご家庭で行い続けることはなかなか難しいと思われます。うわさに聞くところによりますと、自分勝手に御尊像をお祀りして、かえって不幸になったという事例もあるようですから、よくよく注意しなければなりません。

 信仰はご尊像にこだわることよりも常に聖天さまと一緒に暮らしていると自然と思えるようになることが一番です。あまり難しく考えてなくても、こういう行動は聖天が喜んでくださるだろうなとか、これはバチがあたるかもだからやめておこう、みたいな心掛けや考え方でも十分にご利益を頂けると思いますよ。今日も楽しい一日を。