いい石の日

 いいお天気の京都東山です。円山音楽堂では吹奏楽の音楽会が開催されています。さて、今日は「いい(11)石(14)」の語呂合せから「いい石の日」です。1992(平成11)年に「墓石で先祖を供養する文化、伝統を守ること、石組みで美しく趣のある庭を築くことなど、石を加工、配置する技術の巧みさをアピールする日」として山梨県石材加工業協同組合によって制定されました。また、石工職人や大工職人などが尊ぶ聖徳太子の太子講が行われる日だそうです。聖徳太子は、お墓や家を建てるときに使用する曲尺を発明したとされることや、太子が寺院建築史上大きな存在であったことに由来して、職人の守護神とされたようです。

 ということで、われわれが思いつく身近な石と言えば、墓でしょうか。お墓の種類は、おおまかに「単独墓」と「合祀墓」に分けられます。単独墓は、お一人だけを祀るお墓のことです。一方、合祀墓は、もっとも多いお墓で、子孫までも入れるお墓です。いわゆる「〇〇家先祖代々之墓」などと刻まれているものです。現在では、他人様と一緒に入る合祀墓もあるようです。また、ご夫婦お二人だけで入るお墓は「比翼墓」といい、ご夫婦のどちらかがお亡くなったときに建てます。そのほか、生きているうちに自分のお墓を建てることを「逆修」といい、その墓を「逆修墓」とか「寿稜墓」と呼びます。その場合、墓石に刻んだ自分の名前や生前戒名は朱色を塗り、亡くなったあとに朱色を消します。

 一般的な墓石は、3段積みで、上から順に、文字を刻む「棹石」「上台石」「下台石」という構成になっており、花立て、水鉢、線香立てが付属しています。棹石には「○○家先祖代々之墓」の他、側面、裏面には、建立年月日・建立者・納骨されている方の戒名・命日・俗名・行年齢などを刻みますが、墓誌として別に石の板を立ててこれらを刻むこともあります。

 最近では墓不要で散骨などを希望されるお考えの方もおられますが、私は、先祖に手を合わせて偲ぶときにお墓、お骨があった方がより身近に感じられて、感謝申し上げられ、供養して差し上げることができますし、ご先祖のお名前が残っていることにより、何かの調査対象の一助にもなりかねないので、お墓があるということは大切なことなのではないかと思います。今日も楽しい一日を。