聖天さまご縁日です。

のぼり旗
 青空の京都東山です。今日から11月ですね。11月の和風月名は「霜月」で、文字通り霜が降る月となり、また、明日から七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」となって、いよいよ山々が美しく紅葉してくる季節です。そして、今年もあと2ヶ月でお終いとなります。

 さて、聖天さまの御縁日はお寺によって、多少違うところもありますが、雙林寺では毎月1日と16日としています。どの仏さまでもそうですが、その仏さまの御縁日には仏壇、神棚を清浄にし、お花を活け替えたり、普段と違う御供物や丁重な読経、祈念をお勤めするなどして、日頃の信仰の在り方について見つめ直したり、お寺へ参拝するなど、信心の誠を態度、行動に表すようにします。

 参拝の時は、身なりを整えて心も清浄にするのは当然のことですが、自分がお参りしようと思っただけで決してお参りできるものではありません。まずは、お参りに行こうと意思を持つのですが、その気持ちを理解してくださる方がおられ、お留守番の方や交通機関で働く人など多くの人たちの協力のもとに実現できることなのです。したがって、参拝されるときは自分一人で行動しているという勘違いをしないようにして、この勝縁に感謝をして、喜ぶべきです。聖天さまはこの気持ちをお歓びになられ、おかげを頂戴できるようになれるんだと思います。

 また、信仰が篤くなるにつれて、お寺へ参拝する回数も増えると思われますが、数多く参拝すればよいというものでもありません。聖天さまからのご利益、御救いの手は必ず、普段の生活、身の回りの出来事、仕事などを通じてお与えくださるものですので、自分のやるべきこと、仕事などをそっちのけで、周囲の人に迷惑をかけてまでも、毎日参拝したからといっておかげを頂戴できるものではないのです。そのようなことを聖天さまは望んでおられません。それよりも、一筋に聖天さまを心から信じて、努力を重ねていると人智では計り知れないありがたいご利益を頂戴できるのではないかと思います。今日も楽しい一日を。