帽子

 

帽子
 今日は晴れ空の京都東山です。今月は衣替えですので、押入れをごぞごぞとやっておりました。我々の冬装束のひとつに「帽子」があります。キャップやハットではなく、お坊さんが首に掛けている白い布のことです。マフラーの役割を果たします。これは、直接首に触れるものなので、そこそこ汚れるんですよね。

 で、もともとは、天台大師さまが大斎会の折、煬帝より敬老防寒のために煬帝の衣の片袖(縹色だったらしい)を自ら下賜されたという古事があり、伝教大師さまも桓武天皇より賜わったと伝えられています。何と、衣の袖だったのですよ。天台大師さま、伝教大師さまの御尊像を拝みますと、頭から被られているのがわかります。ちなみに、我々はそれ相応の位にならないと頭から被ってはいけないことになっています。

 今日では、その故事から、帽子は白羽二重を用いて、袖型に模して、二幅の重ねの環状に作られています。縹色ではなく白色となっています。また、帽子は、5年に一度延暦寺で執行される「法華大会広学竪義」を遂業しないと着用が許されません。

 写真を撮ってみましたが、何かの洗濯物のようにしか見えないので、大正大学の法衣の記事を、ご参考になさってみてください。今日も楽しい一日を。

大正大学 Bo’zコレクション