草履の日

 

雪駄
 朝から青空の広がる京都東山です。天気がよいとそれだけで気持ちがよいです。さて今日は「草履の日」です。七五三・正月など、草履を履く行事が多い時期が近いことから、草履興業組合が制定したとのことなのですが、その組合を検索しても出てこないという謎です。

 草履は、日本の伝統的な履物のひとつで和装には欠かせません。私たち坊主も外出には雪駄や下駄を履いています。概ね男性が履いている四角く薄い履物が「雪駄」で、女性が履いている分厚く楕円形の履物が「草履」といわれます。

 雪駄は、畳表と裏革を針と糸で縫い合わせるといった構造で、踵にはベタガネという金具がついています。昔はこれをチャラチャラと鳴らしながら歩くのが粋とされていたそうです。「雪駄チャラチャラ魚の棚~♪」などと歌いますね。しかし、それがうるさい、滑る、道が傷つくとかいう理由で、段々と金属から革製の踵に変わっていきました。また、畳表の他にも革、布、ビニールなども使用されるようになり、底の素材はコルク製からウレタンへと変化しています。もちろん、昔ながらの雪駄もありますが、安価なものに比べると十倍くらいのお値段がします。

 ちなみに、お坊さんたちが集まると出入口には同じような雪駄が何足も並ぶので、それぞれ間違わないように、寺や自分の名前を記したり、丸や線、記号などの目印をつけたりと、ちょっとおもしろいので、機会があれば観察してみてください。

 また、草履類は鼻緒を挟み、台を踏ん張るため足の筋肉が鍛えられ、足裏の土踏まずの形成や外反母趾の予防にもよいとされています。それに基本的に素足で履くので、足が蒸れず水虫にもなりにくいという効用もあります。多湿な日本に適した健康的な履物ですね。今日も楽しい一日を。