信じて従うべし


しょうぐうさん
 晴れ空の京都東山です。さて、薬師巡礼の会と称する方々が参拝に来られました。お勤めをされたのですが、お薬師さまのご真言のほかに不動明王のご真言も唱えられていました。お不動さまのご真言は不要なのでは?と思われる方もおられるかもしれません。

 ところで、雙林寺には御守をご用意しておりますが、御守の袋にはいわゆる「交通安全」や「学業成就」などと書かれておらず、「薬師如来」「地蔵菩薩」「歓喜天」の御守3種類となっています。これをご覧になった方が、どの御守が良いですかとか、どれが一番効きますか、などと質問されることもしばしばです。「仏さまに優劣はなく、どれも同じです」とお答えしますと、ますます困惑されてしまいます。私たちが薬を選ぶときは、風邪薬だ頭痛薬だと選びますが、これは万能薬です、といわれると何だか怪しい薬だと疑って敬遠してしまうのと同じことなのでしょう。

 仏さまは目に見えない大いなる存在です。私たちの人知など到底及ばないので、なかなか拝みにくいのも確かです。そんな私たちの為に仏さまは、いろいろな御姿に変身してくださいます。如来、菩薩などいろいろおられます。もともとは、大いなる存在ですから、この仏さま好きだなとか、この仏さまにご縁を感じるな、のような気持ちで信仰されるとよろしいかと思います。いつも申しますが、信じて従うべしなのです。この薬は効くと信じれば、不思議と効くんですよね。

 あちこちの仏さまを拝まないと気持ちが落ち着かないという方は、それは本物の信仰ではないように思います。きっと、いつまでも落ち着かないだろうと思います。一途に信じて心の底から祈ることで大いなる仏さまに通じて、不思議なお力を頂戴できるのではないでしょうか。私も法要や読経のときはもちろんのこと、普段からよく空を見上げて仏さまと通じたいと願っています。

 ということで、うまく伝えられないのですが、本物の信仰をしていれば、たくさんの真言を唱えてもいっこうに構わないというおはなしでした。今日も楽しい一日を。