中秋の名月


 快晴で爽やかな朝を迎えている京都東山です。今日は、「一粒万倍日」と「満月」が重なる日です。特に、「十五夜」「中秋の名月」です。一粒万倍日とは、「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という意味があります。満月の日は願い事が成就しやすいと、お経に説かれていますので、今日は物事がうまく運ぶ吉日となります。

 月の神さまとして、月天(がってん)さまがおられます。勢至菩薩さまの仮のお姿で、十二天のメンバーにて、月の宮殿の王さまとして、暗闇の世界を明るく照らされ、私たちの病苦しみを癒してくださいます。その寿命は500歳といわれています。お姿は、髪は赤色で、右手を腰に当て、先が半月の形をしている杖をお持ちです。左手は、掌を胸に当てておられます。そして、3羽のガチョウの背に乗っておられます。

 月宮殿は、七宝の塀がめぐらされ、銀や青瑠璃で飾られた美しい楼閣が幾棟も立ち並んでいるという、とても立派で美しい建物です。月天さまは、この宮殿で、天つ乙女たちを常に30人左右に侍らせ、そのうち15人に赤衣を着せ、あとの15人には黒衣を着させて舞を躍らせるという、無上の歓楽を極めておられます。おかげで子孫は絶えず、月世界を統治しておられるとのことです。

 ところで、中秋の名月は満月とは限りませんが、今年は、久しぶりの満月を楽しめるお月見となります。2023年までの3年間は、中秋の名月と満月の日が一致しますが、その後は、7年先の2030年まで待つことになります。しかし、こんなに晴れているのに、今夜の京都の天気予報は雲りとのことですので、お月見が出来るのか、出来ないのか、気になるところです。今日も楽しい一日を。