天台宗僧侶になるには、

しょうぐうさん
 昨夜半から雨が降り続いています京都東山です。今日は、京都府が1985年に制定した京都府開庁記念日です。王政復古の4箇月後の慶応4年閏4月29日(新暦1868年6月19日)、日本初の地方自治体として京都府が開設されたということです。

 さて、お坊さんになるにはどうすればよろしいですかと、まれに尋ねられます。僧侶は弟子をとって、引き継いでいきます。妻帯するようになってからは、親が師僧、子が弟子、という関係を作っています。他人を弟子にすることが本来の姿なのでしょうけれども。

 それで、天台宗の僧侶になるには、まず師僧となる僧侶に弟子入りしなければなりません。弟子入りが叶えば、得度の儀式を受けます。得度とは髪を剃り、僧侶としての生まれ変わり、仏道に帰依する誓いをたてる儀式です。戒師と教区からの立ち合いをお招きし、厳粛に執り行われます。このとき法名を授かります。これが僧侶としての名前になり、戸籍も変えてしまいます。亡くなった時は改めて戒名がつけられることはなく、この名前が位牌に記されます。私なら「智敬和尚」になりますかね。

 得度を終えると、比叡山にある行院という道場で修行をします。それこそ、法衣のたたみ方から歩き方などの所作、お経の読み方に法要の作法などと基礎的な教義を習得します。併せて、四度加行という密教修行を中心とした行を修めなければなりません。これらの定められた修行を満行し、試験に合格すれば、正式な天台僧として認められます。中年になってからのお修行はかなりキツイですよ。

 その後、入壇灌頂、開壇伝法、円頓受戒、広学豎義などの儀式を受けたり、研修も受講します。しかし、行はこれらのことだけに止まるものではなく、日々の暮らしそのものが修行なので、覚悟をもって、僧侶とは何なのかを問い続けなくてはならないと思っています。今日も楽しい一日を。

■京都府ホームページ:https://www.pref.kyoto.jp/index.html