洒水器とは

 

 今日も朝から快晴で、「市民しんぶん」を配っただけで、汗ばむ陽気となっています、京都東山です。

 さて、洒水とは、香水を潅いで身心の穢れを除くことで、また道場や供具等も浄めることです。その香水を入れる鋳銅製の容器を洒水器といいます。また塗香を入れる、洒水器よりも少し小さい仏器を塗香器といいます。塗香は、お香を体に塗る作法をして身心を浄めるときに使用しますね。洒水器と塗香器を一組にして二器と呼びます。

 それらの形は六器とほぼ同じで、高台の付いた台皿に高台の付いたお椀が乗り、蓋が付いています。お椀には三本または二本の帯が入れられてあります。蓋には二段の盛り上がりがあって、宝珠形のつまみが付いています。お椀の外側に帯が付いているところが六器と違うところです。洒水器の大きさは六器と比べますと大きく、塗香器は小さいです。また、香水を潅ぐ杖を散杖といい、梅の枝で作ります。寸法は口伝により決まっています。

 その他に、門前瓶というものもありまして、これは、道場や本堂出入口に置かれた瓢箪形の洒水器のことです。散杖が立ててあり、道場に入る際に身心を清浄にする作法をするためのものです。その下には象の形をした象香が置かれて、お香が焚いてあり、そのお香で身体を浄める作法をします。どちらも、法要や修法を始める前にあらゆるところを浄めることに用いられる仏器ですね。今日も楽しい一日を。