釣鐘


 釣鐘といえば、お寺のシンボル的存在で、重く余韻のあるゴォォォォーンという響きが特徴ですね。除夜の鐘だけではなく、平常時は、時刻や法要開始の合図にも鳴らされます。

 我々の修行道場には木鐘といって、木の板を木槌で叩いて勤行や食事や集合の時などに鳴らしました。もちろん鳴らし方には作法があって、唱える言葉や鳴らす回数や方法が決まっていて、仏さまを招く気持ちで叩くのだと教わりました。修行中は道場にある時計で時間が進むので、各自の腕時計はそれに合わせます。当番の時は1秒も狂うことなく鳴らさなれけばならないので、その日は一日中、気が抜けなかったことを思い出します。

 雙林寺に釣鐘はありませんが、歩いて5分くらいのところに知恩院の大釣鐘があります。法然上人の御忌大会と除夜の鐘の時に撞かれます。高さ3.3メートル、口径2.8メートル、重さ約70トンという巨大な鐘で、寛永13(1636)年に鋳造されたものです。親綱1人・子綱16人の合計17人がかりの鐘撞きはたいへん力強く、人々の平安を願う祈願の鳴鐘でもあります。事前にリハーサルがあって、練習されていたりします。

 ちなみに、子供のころは囲い柵はなく、釣鐘の中というか下にも入ることが出来ました。もしも鐘が落ちて、出られなくなったらどうしようと子供心に怖かったことを思い出します。映画「獄門島」のワンシーンのような感じです。手で鐘を叩いたところで外へは聞こえないくらい分厚いですし。さて、みなさんならどうやって脱出しますか?今日も楽しい一日を。