お寺は暗いところです

 

 ということで、京都市に「まん延防止等重点措置」が適用され、人出が無くなった東山界隈です。

 さて、以前に比叡山根本中堂へお参りに行った時、延暦寺のお坊さんが、「このお堂の特徴は暗いことです」と説明されていたことが強く印象に残り、お寺は暗いところなんだと納得したことがあります。古い建物なので、単に照明器具がないということではなく、どういうことかといいますと、子供の勉強部屋は北側にある暗い所に作る方がいいと聞いたことがあるからです。明るい部屋にするのが当たり前だろうと思っていましたが、明るいところでは外へ遊びに出かけたくなるので、集中できず、勉強する気にならないというのです。やはりお寺は祈るところでもあるので、明るいと集中したり、気持ちを落ち着けたりしにくいから暗い方がいいんだと思ったのです。

 また、内陣は暗くして、蝋燭は洋蝋燭より和蝋燭の方が炎がゆらゆらするので、その明かり加減で仏像が見えるような見えないような、あたかもそこに仏さまがおられるかのように拝めるように荘厳するのがいいと教えてもらったこともあります。

 しかし、最近では仏像をはっきりと見たいお方が大多数で、暗くてよく見えないと仰る方、、、美術館風に仏像を照明するお寺もあるそうで、、、拝観料をとるなら後ろ姿も見せるべきだと仰る方も出てきて、、、様々な意見を頂戴しますと、これからのお寺の照明は一体どうすればいいのか悩みはつきません。今日も楽しい一日を。