合掌の仕方

 

 今日は、合掌の仕方について書いてみます。実は合掌には、十二合掌と言って十二通りの形があるのですが、ここでは普通に行われる形式としたいと思います。

 合掌とは字の通り、左右の掌から指を正しく合せることです。指先は咽頭の中央、のどぼとけ辺りと水平になる位の高さとし、両肘は脇の下に自然に垂れ、開き過ぎず、狭過ぎないようにします。横から見た場合、両肘から指先までが一直線上になっている様にして、たまに、手首から先が下がっていたり、時間とともに下がってしまわないように、注意しましょう。両掌を合わせるというのは、必ずしもわずかな隙もなく密着させなくても、中央に多少隙間が出来ても大丈夫です。

 次に合掌状態で頭を下げる時には、指先も上半身と共に下がりますから、頭が元へ戻れば自然と元に戻ります。この手を合わせて頭を下げる動作は極めて自然で、大げさでもなく、極めて謙虚で慎ましい姿勢に見えます。

 合掌にはどういう意味があるのかについては、様々な説明があり、どれも正しいように思えますが、二つに分れている両手を一つに合わせることは、落ち着かない我々の心をひとつまとめる、つまり一心になることを表わすものであるという説明が私にはしっくりときます。 

 例えば仏さまに向かって合掌することは、一心になって全身全霊を捧げて仏さまを敬い奉ることになるのだと思います。また、手を合わせることで、盗らない、暴力を振るわないという心を一緒に表すのだと仰る方もおられましたが、いずれにしましても、一心とは「まごころ」になりきることで、本当の自分になること、いわゆる「本来の姿」を見つめることとでも言いましょうか、そしてそれが、すべての行いの基礎、原動力になるということが、合掌の本来の意味なのだと思います。この合掌して祈ることで、仏像に魂が入り私たちは仏さまから御加護を頂戴できるのだと思います。

 毎日何気に手を合わせておりますが、改めて合掌の大切さを考えることができました。

 それでは、今日も楽しい一日を。