祈祷は効果なし!?

しょうぐうさん
 今日はお地蔵さまのご縁日にて朝からお勤めでした。雙林寺のお地蔵さまは、地蔵堂横の法華塚の地中からそれこそ大地からお出ましになられた持病平癒に「ご霊験がある」仏さまです。法華塚を造営する際に埋められたのかどうかはわかりませんが、今も篤く信仰されています。

 さて以前に、祈祷が効かないのですがどういうことでしょうか、という苦情めいたことを仰る方がおられ、さらに、霊験あらたかだとか願えば叶うなどという言葉は使用されない方がいいですよ、とまで意見されました。お電話でしたけれども、こういうお方は、おそらく仏教徒や信者ではなく、そういったキャッチコピーに誘われて祈祷をご依頼されたのだろうと思いました。

 そもそも信仰とは、普段からお寺の行事などに参加したりしてお坊さんのお話を聞いたり、仏教について勉強したり、お参りなどして、育むものだと思います。その結果、漢方薬のようにじわじわと効いてくるものです。そのお方は、自分の思い通りにならなかったので、祈祷は効かないと思われたのでしょうが、なぜ叶わなかったとまでは思慮されなかったのでしょう。未だ叶う時期ではなかったとか、違う形で叶ったが気づかなかったとか、その願いは祈願者にとって必要のないことだったとか、そもそも根本的に願いを叶える努力が足りなかったとか、、、。

 例えば100万円くださいとお願いしたところで、さすがの仏さまも枕元に札束を置くことはできません。それこそ宝くじに当たるかもしれませんが、少しずつ売上げが上がるとか、融資が受けられたとか、不慮の出費なく計画通りに貯金できたとか、いい人材に巡り会えたとか、、、どんな形で叶うのかは仏さまの思し召しなので、よく状況を見て判断し、ものの見方を考えなければわからないのです。

 それと、願い事をするときに大切なことは、この願いが叶った暁には、例え叶わなくても、必ず世のため人のために奉仕しますと心から誓いを立てることです。自分だけいい思いをするのはバチが当たりますからね。願似此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道 今日も楽しい一日を。