聖天縁日

清浄歓喜団
 薄曇りの京都東山です。今日は、聖天さまのご縁日です。聖天さまへのお供え物に「清浄歓喜団」というお菓子があります。通称「お団」とも呼ばれていまして、決してどこかの団体名ではなく、“日本最古のお菓子”ともいわれている由緒あるお菓子です。

 そもそもお団は、奈良時代に中国から日本に伝わった唐菓子(からくだもの)の一つです。中に入っているこしあんにはお清めとして、ハッカ、丁子、ニッキ、白檀などの香りが混ぜ込まれています。皮の部分は胡麻油で揚げて作られているので、最初はそのお香よりも胡麻油のいい香りがします。全体は巾着の形をしていて、八葉の蓮華を表す八つの結びで閉じてあります。

 口に入れますと、一気にお香のような香りが口に広がります。あんこは和菓子らしい甘さです。ちなみにトースターなどで加熱しますと、より香りが豊かになります。あんこも柔らかくなるので、香りと味覚で絶妙に美味しく食べられます。ただ、このお団の味は、好き嫌いがはっきりとわかれるような気もします。

 それからお団は、日にちが経つとたいへん固くなりますので、食べるときには歯に注意する必要があります。底の中心部分を下から押し上げると簡単に割れますから、そうしてからお召し上がり下さい。

 雙林寺の近く八坂神社石段下にある亀屋清永さんでは、比叡山の阿闍梨さんから習った秘法で、毎月1日、15日を中心に調製されているそうです。京都へ来られた時は、聖天さまへの御供物としてだけでなく、珍しいお菓子としてお土産にもいいのではないかと思います。今日も楽しい一日を。