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六道まいりの水塔婆 |
さて、京都ではお盆にお迎えするご先祖さまを「お精霊(しょらい)さん」と親しみを込めて呼びます。雙林寺から歩いて約15分くらいのところにある「六道珍皇寺」、通称「六道さん」では、7日から10日まで「六道まいり」が行われます。これは、そのおしょらいさんをお迎えにいくという行事です。
「六道」とは、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六種の冥界のことで、六道珍皇寺のあたりは、古来より「六道の辻」と呼ばれていまして、平安時代には平安京の東の墓所であった鳥辺野へ至る道筋で「野辺の送り」が行われていました。このことから、この地は、この世とあの世の別れ道だとされたのです。六道珍皇寺の門前には「六道辻」の道標(石碑?)が建っています。
このことから、お盆には、あの世からご先祖さまがこの道を通って我が家へ帰ってこられると信じられるようになり、六道まいりでご先祖さまをお迎えに行くようになったわけです。ご先祖さまの戒名を書いた水塔婆に槇の葉で水を潅いで供養し、迎え鐘を撞いておしょらいさんをお迎えします。そしておしょらいさんは、槇の枝に乗って各家にお帰りになるとされています。
早朝から大勢の参拝者が訪れ、迎え鐘の音が絶えることなく響き続けます。また、「おしょらいさんが初めての里帰りで迷わないように必ず六道珍皇寺にお参りする」との習わしも伝わっています。(写真は祇園商店街振興組合HPより拝借しました)
いよいよ京都のお盆が始まりますよ。今日も楽しい一日を。