地蔵菩薩ご縁日です

持病平癒地蔵尊
 曇り空の京都東山です。二十四節気の「処暑(しょしょ)」を迎えています。年々暑さが増しているような気もしますけれど、「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也(暦便覧)」ということで、暦の上では、夏の終わり秋の始まりなのですよね。「処」という文字には「とめる」とか「とまる」などといった意味があって、この頃から次第に暑さが和らいでくるということです。なんとなく夏の暑さがおさまってくるはずなのですけれども、まだまだ30℃を超える気温にはうんざりです。

 さて、今日はお地蔵さまのご縁日です。雙林寺のお地蔵さまは、明治5年8月、本堂前にある法華塚を修繕したときに、その地中よりお出ましになった石仏です。

 お地蔵さまは頭を丸めたお姿で、右手に錫杖、左手には宝珠をお持ちです。錫杖は、はるか遠い旅路で使われている杖で、これを突きながら私たちに会いに来てくださいます。錫杖の先には輪が付いており、歩くたびに「シャンシャン」という音が鳴り響き、その音によって、毒蛇や害虫が逃げ去って行きます。これは、私たちの心の迷いや煩悩を払って下さることを表しています。左手の宝珠は如意宝珠ともいうように、そこから智慧の光が放たれて、私たちの願いを思いのままに叶えてくださいます。

 雙林寺のお地蔵さまは持病平癒地蔵尊と呼ばれ、病気平癒にもご利益があるとされていますので、お薬師さまと併せてお参りされる方も多くおられます。どうぞお参りにお越しください。今日も楽しい一日を。