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しょうぐうさん |
恵心僧都源信さまは、天慶五(942)年、大和国葛城下郡當麻郷(奈良県香芝市)の當麻寺近くのお生まれです。十代の半ば頃に夢にお告げもあって、比叡山の横川で慈恵大師良源さまのお弟子となられました。32歳の時、「広学豎義(こうがくりゅうぎ=天台僧の最終試験)を受けられ「論義決択世に絶倫と称す」と称讃されました。寛和元(985)年、44歳の時に「往生要集(おうじょうようしゅう)」三巻を完成されたことは有名で、日本浄土教の基礎を確立されたと言われています。
また、恵心僧都源信さまのお母上の歌も有名ですね。
【後の世を渡す橋とぞ思ひしに 世渡る僧となるぞ悲しき まことの求道者となり給へ】
これは、恵心僧都源信さまがとても優秀で15歳のときに、村上天皇の御前で、講義をする栄誉を得られ、ご褒美の品物などをお母上に送ったところ、届いた返事に記されていたという歌です。ちなみに、伝教大師さまは「道心の中に衣食あり 衣食の中に道心なし」と仰せです。つまり、地位や名誉やご褒美などを目的にして暮らすのはダメだということです。いつの時代も母親は偉大ですよ。今日も楽しい一日を。