ところどころに晴れ間がみえますが、全体的に曇り空の京都東山です。今日は「友引(ともびき)」です。
毎日の吉凶、縁起がいいとか悪いとかを占う方法のひとつに六曜(ろくよう/りくよう)があります。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という「曜」が順番に巡ってくるやつです
それぞれの曜には意味がありますが、「大安は縁起がよい」とか「仏滅は何をするにもよくない日」くらいは、ご存知なのではないでしょうか。ちなみに、友引の日は?といいますと、「友引の日の午前は利益なく、夕刻吉」と暦に書かれてあります。
この六曜は、冠婚葬祭の日にちを決定するときに用いられますので、一見、仏教と関係があるようにもみえるのですが、実は関係ありません。といいつつも、全く関係がないわけでもないのです。
友引は、「友を引き込む」とか「共引き」いう語呂合わせから、友引の日にお葬式をおこなって、友もあの世へ連れていかれると叶わないので、お葬式をやらない習慣があります。となりますと、自動的に友引の前日は通夜も行われないことになり、われわれは「友前(ともまえ)」などといったりして、ゆっくりと過ごすことができる日となります。
ところが、「友前は通夜がないから、集まって研修会をしよう」とか、友引にはお葬式が入らないから、行事とか祭事をしようということになりまして、多くのお坊さんが参加できるように、教区主催の催し物もこれらの日を優先して決定されています。
そもそもお坊さんは毎日休日でありながら、毎日稼働日などと言われます。本来、お坊さんは、日々修行中で、商売や事業などはしない生き方をしている人のことですから、職業ではないはずです。ですけれども、実際のところ、「友引」はどことなく気が緩む日であるのですよね。今日も楽しい一日を。