元三大師縁日

 

角大師
 快晴の京都東山です。今年も今月で終わりですね。今月は「終い○○」として、それぞれの仏さまの今年最後のご縁日となります。今年一年の感謝を申し上げに参拝いたしましょう。

 ということで、毎月3日は、元三大師さまのご縁日となります。雙林寺には、彫刻品のお像はありませんが、おみくじがありますから、比叡山横川で授与していただいた良源さまの版画や角大師をお祀りして、おみくじの判断や疫病退散をお祈りしています。

 元三大師さまの幼名は、観音丸(日吉丸とも)といいまして、お坊さんになられると法名を「良源(りょうげん)」、諡号(しごう)は「慈恵(じえ)大師」と申されます。お命日が元日三日(正月三日)だったことから、通称「元三(がんざん)大師」とお呼びしています。さらに、変身されたお姿を「角(つの)大師」とお呼びします。いくつもお名前がありますが、どれも同じお坊さんのお名前です。第18代天台座主に就任され、比叡山延暦寺の中興の祖として尊ばれておられます。

 昨今、新型コロナウィルスが流行したように、平安時代にも疫病が流行しました。良源さまは、鏡の前で疫病退散を強く念じられたところ、角が生えた鬼の形相に変身され、疫病を退散させたと言われています。その時のお姿を弟子が写しとり、お札(ふだ)にして、人々の家の玄関口に貼りつけることで、疫病や災難が家の中に入ってこなくすることができたのでした。現在でも、戸口に貼られているお家がたくさんありますね。

 また、おみくじの創始者ともいわれています。「観音百籖(かんのんひゃくせん)」とか「元三大師おみくじ」と呼ばれていて、一番から百番までのくじ引きで吉凶を占います。

 さらに、「定心房(じょうしんぼう)」と呼ばれる漬物を考案され、これを沢庵漬けの始まりとする説もあります。沢庵和尚の説も有名ですね。

 元三大師さまは、疫病退散や災難除け、占いと、沢庵の考案までも、私たちの生活を助けてくださる存在です。 おんばらだはんどめいうん 今日も楽しい一日を。