お見合いの日

愛染明王(雙林寺蔵)
 多少雲は多いものの概ね晴れ空の京都東山です。ちょっと気温が下がって、寒い感じです。さて、今日は、「お見合いの日」、昨日は、「縁結びの日」でした。

 ご縁は、自分に関わるあらゆるつながりのことですね。私たちは、自分を楽しませてくれる人・モノ、つまり、自分にとって都合のいい人やモノを「いい人」「いいモノ」として大切にしがちです。しかし、本当に大切にしなければならないものは、自分の人間性を高めてくれたり、成長させてくれる人やモノだとお釈迦さまは仰せです。

 ところで、雙林寺にはご縁の仏さまとして、聖天さま、愛染明王さまがいらっしゃいます。(どちらも非公開です)

 聖天さまは、「歓喜天」「尊天」とも呼ばれます。インドの古い言葉では「ガナパティ」または「ガネーシャ」といいます。お体は普通ですが頭は象さんのお姿です。インド神話では、首を切られてしまったために象の頭を代わりにくっつけたといわれていますが、聖天さまのお力が一番強いことを表すために、一番力の強い動物の象で示したと言われています。また、聖天さまはいつも奥様と睦まじくされておられるので、双身像(そうしんぞう)です。その奥様は、十一面観音さまの化身です。お好きなものは、大根・お酒・歓喜団・甘いものです。特に、災難消滅・開運・金運上昇・夫婦円満・縁結びのご利益がいただけます。

 愛染明王さまは、戦勝・息災の祈願をするときの本尊とされます。よく時代劇の戦国武将の兜に「愛」と書かれていたりしますよね。また、恋愛成就、男女和合などにご利益があります。また、そのお名前から「愛染=藍染」と解釈されて、染物や織物職人の守護仏としても信仰されています。さらに愛欲を否定しないことから、古くは遊女、現在では水商売に従事する女性の信仰対象にもなっています。

 ということで、普段からのお精進が無駄にならず、仏さまのおはたらきで、良いご縁が結ばれ、万倍の結果となりますように、お祈り申し上げます。今日も楽しい一日を。