お十夜

真如堂
 いいお天気の京都東山です。めっきり過ごしやすくなりました。連休最終の今日、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、明日から京都市左京区にある真如堂で、通称「お十夜(おじゅうや)」が執り行われます。真如堂は、正式には鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざん しんしょうごくらくじ)といい、永観2(984)年に戒算上人が開創した、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。

 真如堂のホームページなどによりますと、お十夜は、「この世で十日十夜善いことをすれば、仏国土で千年善いことをするに勝る」という「無量寿経」の教えに基づき、阿弥陀如来さまへの法恩に感謝をする法要です。もともとは、室町幕府第6代将軍・足利義教の執権職をしていた伊勢守貞経の弟、平貞国が真如堂で十日十夜の念仏修行を行ったことに由来しています。その後、約70年後に国からの許可を得て、鎌倉光明寺(浄土宗)に伝承され、そこを基点として全国各地に広まっていったそうです。

 現在の十夜念仏会には、鉦(かね)講という在家の人達によって構成される十夜鉦が期間中奉納されています。11月5日から15日まで、講員が鉦を打ち、阿弥陀仏を念じます。またこの期間は、秘仏である御本尊・阿弥陀如来さまの御手に結ばれた糸・白い綱が本堂前の回向柱まで延ばされ、この綱に触れることで阿弥陀如来さまに直接触れたことと同じ御利益があるとされ、多くの方がお参りに来られます。

 そして、毎年11月15日だけ御本尊の御厨子が開帳され、参拝者は本堂の内々陣にまで入ることができ、間近で拝ませていただくことが出きますよ。今日も楽しい一日を。