蒸し暑い曇り空の京都東山です。七十二候では「菊花開(きくのはなひらく)」が過ぎ、「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」を迎えました。
 
 今日の暦には「菊供養」とあります。浅草寺では「菊供養会(きくくようえ)」が営まれていることと思います。この時期になると、菊花展などがあちこちで開催されているのではないでしょうか。

 菊はもともと中国から伝わってきました。交配された栽培菊は、豪華で花持ちが良く、仏さまにお供えする定番のお花となっています。お墓参りには頻繫に行けませんから、少しでも長く枯れないお花をと思いますし、また、仏壇でも同様に手間もかからないので、お供えしやすいお花ですよね。それに、菊にはいろいろな種類があって、お供えする場所によって適切な大きさの花を選ぶこともできます。ほかにも、菊の花は天皇家の御紋に使われているところから、仏さまに対して最高のお花をお供えするという意味でも、菊の花が選ばれるようです。ちなみに、花言葉は「高貴」「高潔」だそうです。

 実際のところ仏教では菊でないといけないという決まりはなく、四季折々のお花をお供えすればよいことになっています。家の近くで綺麗に咲いている花を摘んでくればいいのだと思います。綺麗なお花で、仏さま、ご先祖さまに喜んでいただきましょう。今日も楽しい一日を。