川床

川床
 今日も朝から暑い青空の京都東山です。7月は今日で終わります。来月のお盆の計画はおすみでしょうか。

 ところで、河原町まで出かけたときに、夏の風物詩である「川床(ゆか)」を写しました。

 川床は、5~10月頃まで、料理店が川の上や川沿い近くの場所につくる座敷のことです。南は五条大橋から、北は二條大橋あたりまでズラリと並んでいて、そこでおいしいお料理を楽しむわけです。京都では鴨川の他にも、貴船や高雄でも楽しめる行事で、総じて「納涼床」とも呼ばれていますが、鴨川では「ゆか」、貴船や高雄では「かわどこ」と呼ばれています。

 鴨川の川床は、江戸時代初期に豪商が、鴨川の河原に見物席や茶店を出したことにはじまるそうです。その後、石垣や堤が整備され、近くに花街もできて歓楽街として賑わうようになります。江戸時代中期になると、約400軒ほどの茶屋が浅瀬に床几を並べたり、張り出し式のものが作られるようになり、「河原の涼み」と呼ばれて楽しめるようになったそうです。

 明治時代になると、7月から8月頃に川床を出すのが定着し、鴨川沿いにずらりと並ぶようになります。その後、台風被害や戦争で川床が消えた時代がありましたが、1952(昭和27)年に「納涼床許可基準」が策定され、納涼床を許可する京都鴨川納涼床協同組合が「納涼床設置規則」を定めるなどして、納涼床の文化風習を未来へと伝えるべくご尽力されています。

 エアコンもクーラーも扇風機もない時代の納涼床はきっと「天然のクーラー」だったに違いないと思いますが、昨今の酷暑だと生温い風かもしれません。

 ということで、「川床」を楽しみに京都へ来られる方もおられるのでしょうけれども、水がきれいなので、意外と虫が飛んで来たりしますので、虫除けスプレーを用意された方がよいかもしれませんよ。今日も楽しい一日を。