お釈迦さまのおはなし

 うす曇り空の京都東山です。昨日、二十四節気では「清明(せいめい)」になりました。暦には、【草木の芽発生して何の木何の草と明らかに知得る故に清明という】と書いてあります。

 桜の花は少しずつ散り始めましたが、草や木の花が咲き誇り、生命が輝き始めるときです。万物が生き生きと清らかな、それこそ「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」な季節となってきました。

 さて、お釈迦さまのお誕生日にちなんで、簡単ですが、お釈迦さまの誕生から出家までのお話です。

 まず、お釈迦さまがお生まれになられたのは、ヒマラヤ山脈の南側、現在のネパール国ルンビニーという場所です。お母さまのマーヤ(摩耶夫人)が、 郷里に帰る途中、産気づかれて誕生されました。

 お釈迦さまはシャカ族の王子として、カピラヴァストゥというインドとネパールの国境にあたる国で、何不自由のない暮らしをされていました。16才の時、ヤショーダラーと結婚し、ラーフラという子をもうけたと伝えられます。

 幼少のころからお釈迦さまは、生老病死という、誰もが避けられない問題について苦悩されていました。お釈迦さまは一人の人間として苦悩し、人としての道を求め、ついに出家されました。これこそが仏教の原点なったのです。(「花まつりのしおり」より)

 お釈迦さまゆかりの地としては、次のようなところがあります。

  • ルンビニー…お釈迦さま誕生の地
  • カピラヴァストゥ…王子として幼少期をすごした地
  • ブッダガヤ…覚りをひらかれた成道の地
  • サールナート(鹿野苑)…初めて教えを説かれた地(初転法輪)
  • クシナガラ…涅槃に入られた入滅の地

 お寺へお参りされた際に、誕生仏が祀られていましたら、どうぞ酌で甘茶を潅いで、お祝いしてさしあげましょう。今日も楽しい一日を。