塗香

 今朝は薄曇りの京都東山です。最高気温は7℃とまだまだ寒いですよ。そして今日は大安ですから、吉日にて万事進んでよしです。いことあるかもしれませんね。

 さて、本堂出入口に塗香器を置きました。わかる方はご利用頂ければと思います。塗香のお作法がありますので、書いてみますが、文章にするとなるとなかなかむずかしいので、手っ取り早くは、お寺でお尋ねいただければと思います(苦笑)。また、マイ塗香をご持参されて、お参りされる方をお見掛けすることもありますので、まだの方はお持ちになられてはいかがでしょうか。

 「塗香」は読んで字の如く、塗るお香のことで、身体に塗って身と心を清浄にするためのものです。もともと仏教発祥のインドは暑くて熱気がすごいので、汗の悪臭や体臭を抑えるために、お客様の前に出るときに使用したそうですが、今日私たちは、お仏前でのお参りや法要をお勤めする際に使用します。ゆえに、お寺ではお香の香りが基本ですので、参拝されるときは、香水はご遠慮ください。

 それで、身体からの悪臭もそうですが、身と共に心も浄める行為ですから、塗香を用いる時には「私は今このお香を塗ることによって、身心共に一点の穢れも無いものになろう」という観想をしながらお作法します。

 塗り方のお作法は様々ありますが、

  1. 右掌を上に向けチョキの型で、人差指と中指とで塗香器の蓋を取り横に置きます。
  2. 下に向けこの二指でお香を少量つまんで左掌の上に置きます。
  3. そのまま二指を口へ運び、わずかに含みます。
  4. 右手を開き左掌の上に重ねて右回しに摩擦し、両掌全体へと塗ります。
  5. 最後に胸の前で十指を組み合わせて左右に去来すること3回。これは全身に塗ることを意味する動作です。

 本来ならば塗香は全身に塗るべきものなのですが、いちいち服を脱いでとまでは出来ませんから、以上の作法をして塗ったことにして、その後、読経などを始めます。

 最後に、口に入れるお香は「含香」というものがあるので、本来、塗香を口に入れて代用するものではないと、じぃちゃんが言うてましたが、私は用意されていない場合は、代用としてよしとすることにします。今日も楽しい一日を。


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