節分

 すかっと晴れ空の京都東山です。今日は節分ですね。大安でもあるので、「吉日にして万事すすんでよろし」です。

 京都では、吉田神社、壬生寺など、あちこちの寺社で、邪気や疫病、天災などを退散させ、福を呼び込む行事が行われます。鬼が登場して祓いのける追儺式や、芸舞妓さん年男・年女、有名人などによる豆まきなど、賑やかに催されますよ。

 天台宗のお寺で行われるのは「日数心経」です。般若心経を1年の日数分、つまり365回読んで、向こう1年の除災招福を祈る法会です。あ、今年は366回か。しかし、1人で唱えるとなるとたいへんなので、複数のお坊さんが交代で読まれるところもありますし、たくさんの檀信徒さんが集まって、例えば365人集まれば、1回で済ませるという効率化を図るところもあります。効率化の作法というと、「大般若転読」というお勤めも、お経本を上からパラパラと落とすようにめくるお作法でお経を600巻読んだことにしたりします。

 「般若心経」の正式名称は「摩訶般若波羅蜜多心経」です。略して「心経」と普段呼んでいます。摩訶とは、「偉大なる」で、般若は「智慧」、波羅蜜多は「向こう岸に渡る」という意味です。つまり、「彼岸に渡るための偉大な智慧」のことで、大切なお経だから「心経」なのです。心臓の「心」、中心の「心」なのですね。宗派によっては読まないところもあるようですが、天台宗では、祈祷をする時など、普段からよく読むお経のひとつです。比叡山で修行させていただくときは、最初に般若心経を暗唱しているかどうかテストされますよ。

 ということで、みなさまに福が訪れますように。「鬼は~外、福は~内」今日も楽しい一日を。