麋角解

 曇り空の京都東山です。朝から四十九日の法要がありました。さて、今夜は今年最後の満月となります。満月あるいは新月の日は願い事が成就しやすいと説かれています。

 そして、暦を見ますと、何やら読めない漢字に出くわしました。「麋角解(さわしかつのおつる)」です。鹿の角が生え変わる時期ということですが、ニホンジカが角を落とすのは春になってからですから、ここでいう鹿は、中国に生息していた「麋鹿(ミールー)」で、日本では「シフゾウ(四不象)」と呼ばれた大型の鹿のことだそうです。

 ところで、日本での鹿といえば、鹿島神宮の祭神、武甕槌神(タケミカヅチノミコト)の所に来た天照大神の使者が鹿の神霊だったことから鹿が神使とされていますよね。また、武甕槌命は、白鹿に乗って御蓋山(三笠山)に来られたという伝説は有名で、奈良では鹿を神鹿として、保護敬愛されています。

 しかし、この七十二候は中国で考案されて日本用にアレンジされたそうですが、中国の動物をそのまま残してあるのはおもしろいところです。今日も楽しい一日を。