木槿

ムクゲ
 概ね晴れ空の京都東山です。今夜は満月となります。今回の満月は、月が大きく見える「スーパームーン」と、ひと月に2回目の満月「ブルームーン」が重なる満月です。密教経典には、満月もしくは新月の日に護摩を修すれば、最も良く成就が得られると説かれてありますから、お参りに良い日となりますね。

 さて、境内ではムクゲの花が咲いています。てっきり、芙蓉だとばかり思っていまして、芙蓉について調べていましたら、同じような花でムクゲがあることを知りました。それで、葉っぱの形を観察して、これはムクゲだということがわかりました。

 ムクゲは韓国の国花で、原産地は中国といわれているそうですが、実ははっきりわからないようです。さらに学名は「syriacus」といってシリアを意味するそうですが、シリアに野生のものは発見されていないのだそうです。おもしろいですね。

 また、「槿花一日の栄」という言葉があります。これは、8~9世紀の中国、唐王朝の時代の詩人、白楽天の詩の一節である「松樹千年終是朽、槿花一日自為栄」に由来しています。「松の木は1,000年経ってようやく枯れるが、『槿花は一日にして自ずから栄を為なす(朝咲いて夕べにはしぼんでしまうムクゲの花は、一日だけで自然と盛りが終わる)』」とうたわれて、現世に執着することの愚かさが説かれています。なお、「槿」はムクゲのことですが、朝顔のことだと解釈されることもあるそうです。

 ムクゲを見つけられた時には、「人生とは?」などと難しいことを考えてみるのもいいかもしれませんね。今日も楽しい一日を。