盆踊り

 台風が通過する京都東山です。台風7号が和歌山県に上陸し、北上しています。朝から暴風雨となっていて、今日は一日台風なので、珍しくお盆なのに自坊にいます。

 ところで、皆さまの地域では盆踊りは開催されますでしょうか。中心にやぐらが組まれ、その周りを輪になって踊る輪踊りの形式と、列を組んで道路を練り歩く行列の形式がありますね。

 この盆踊り、もともとは豊作をあらかじめ祝った田遊びや田楽が起源だと言われているそうです。そこに、空也や一遍が災厄退散や亡霊鎮送の意味を込めて始めた念仏踊りとが習合して現在の形になっていったようです。なので、死霊の踊りでもあったのですよ。こわー、、、

 お盆にはあの世からいろいろな精霊がもどってこられ、中にはこの世に居座わってしまわれると困る霊たちもいて、その方たちに念仏を唱えて成仏してもらい、踊りに巻き込んで元気づけて、あの世に送り返す意味もあったわけです。普通はご先祖さまと一緒に楽しく踊るんでしょうけれども。

 それとともに、江戸時代には近所の人たちの交流や男女の出会いの場としても、楽しみの行事だったようです。今でもイベントとして、地域活性化とか娯楽とかお盆休みで実家に帰ってきた人たちとの再会の場となって、賑やかに楽しい催しであることに違いありません。盆踊りに参加すると、私たちの気持ちがハレて、そういう明るいところには悪霊は寄り付きません。

 残念ながら雙林寺近辺では盆踊りはないのですが、もし、お近くで盆踊りが開催されるなら、このような深い意味合いも想像しながら「盆踊り」に参加してみてくださいね。今日も楽しい一日を。