祇園祭

 厄除けちまき
 曇り空の京都東山です。四条烏丸界隈では山鉾が建てられて、どこからか祇園囃子がBGMとして聞こえてきて、いよいよ「京都の夏がやって来た!」と実感します。そして、今日は曳き初めが行われますよ。

 夜の歩行者天国は、7月15日(土)と16日(日)の両日17時~23時までで、土日も相まってとんでもない人出になるような気がします。煌びやかな山鉾に、お囃子の「コンチキチン」を耳にすると、華やいだハレの気持ちになれるんですよね。

 ご存知の通り、祇園祭は、山鉾巡行だけではなく、7月1日から一ヶ月間にわたって行われる神事です。もともと平安時代の人々は、疫病は怨霊や悪霊がもたらすものと考えていて、疫病の流行をくい止めるために、御霊会を催したことが祇園祭の始まりだといわれています。

 ところで、山鉾巡行はご覧になられたことはありますか?見どころの一つに「辻回し」があります。鉾が進行方向を変えるあれです。掛け声とともに一斉に綱を引き、重さ約10トンの大きな鉾が勢いよく回転するそれです。毎回見物客からは大きな拍手が沸き起こりますが、この辻回し、「辻」という言葉は場所を表していて、魔所とされているところです。そこは現世とあの世との境界で「辻神」という妖怪が棲んでいるのだそうです。そこへ鉾を向かわせて妖怪をとっちめるわけです。スムーズに鉾を方向転換するため、交差点に敷かれる青竹は魔除けの意味がある縁起物ですし、音頭取りが手に持って打ちふる扇は、空気を揺るがして魔を除け、神さまを招きよせるとされています。お囃子ももちろん、笛や太鼓や鉦などの音色は魔を退散させる魔除けの音楽です。

 ほかにも、会所で売られている「ちまき」もまた、厄除けや福招きのアイテムです。ちまきは玄関の外側に設えて、疫病神の侵入を防ぐのです。人気授与品なので、ぜひお求めいただき、酷暑を健康にお過ごしくださいね。今日も楽しい一日を。