茅の輪 |
さて、近くの八坂神社では茅の輪(ちのわ)が設えられました。茅の輪とは神社の境内などに設置される茅(ちがや)という草を束ねて作られた直径数メートルの大きな輪のことです。この輪をくぐることで身の汚れが祓われると言われています。
神話によると、備後国(現広島県東部)で暮らしていた蘇民将来(そみんしょうらい)の家に、旅の途中で宿を求めていたスサノオノミコトが訪れました。貧しいながらも蘇民将来は、喜んで迎えて泊め、もてなしました。その恩返しとしてスサノオノミコトから「疫病から逃れるために、この茅の輪を腰につけよ」という教えを授かりその通りにしたところ、蘇民将来は難を逃れたとされています。この神話から、蘇民将来が腰につけていた茅の輪が、長い歴史を経て大きくなり、現在のような人がくぐり抜けられるものになったといわれています。
八坂神社の案内板には「蘇民将来子孫也」と唱えながらくぐってくださいとだけ書いてありましたが、一般的にはこのように、
- 1周目:正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る
- 2周目:正面でお辞儀、右足で茅の輪をまたぎ、右回りで正面に戻る
- 3周目:正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る
- 正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、本殿に進み参拝する
つまり、8の字を書くようにくぐるようです。「蘇民将来子孫也」と唱えるのは「私は蘇民将来の子孫ですから守ってください」という意味ですね。
もしもお近くの神社にもこの茅の輪が設置されていましたら、是非ともくぐって疫病や災難から逃れる神事を実行してみましょう。今日も楽しい一日を。