雲が多いものの概ね晴れ空の京都東山です。さて、さくらんぼの御供があがりまして、護摩の後、信者さまたちと一緒にいただきました。さくらんぼについては、私も含めてみなさん、山形県名産くらいしか知らなかったので、ちょっと調べてみました。
山形県のさくらんぼは全国の生産量第1位で全体の約75%を占めます。山形県は、雨が少なく風も強く吹かないなどさくらんぼが育つのに適した気候なのだそうです。もともとは、明治の初めころにアメリカやフランスから日本に導入され、山形県でもこの頃から栽培が始まったようです。
今回御供えされたものは「佐藤錦」です。佐藤錦は、大正11年に山形県東根市の佐藤栄助さんが「ナポレオン」と「黄玉」を交配させてできた品種で、さくらんぼの中でも人気ナンバーワンだそうです。ハリツヤの良い赤い果皮は薄くて、さくらんぼの甘さと酸味の果汁が口の中で広がります。語彙力がない私は「美味しい」のひとことです。
そんな佐藤錦の成功の影には、もう一つ別のさくらんぼ話がありました。佐藤錦と相性のよいナポレオンという品種は実の着きが良いため佐藤錦を作ろうとするとナポレオンが大豊作になってしまうそうなのです。ナポレオンだけでは食感が固く、酸味も強いため生食用では売れません。そこで、誕生したのがナポレオンのシロップ漬缶詰です。そう、あれです。クリームソーダ、あんみつ、プリンアラモード、、、などの上に乗っているあの赤色のさくらんぼです。アクセントにも見えますよね。井上勘兵衛さんという方が、明治28年、初めて缶詰にして長期保存を可能にしたのだそうです。さくらんぼの漬物?
ところで、このさくらんの種は食べずに残しておられると思いますが、人前で口から出せます?はずかしいから横を向きます?飲み込んでしまいます?将来、種無しさくらんぼもできるのかしら。今日も楽しい一日を。