甘茶

 おおむね晴れ空の京都東山です。今日は「日本書記」によりますと、604(推古天皇12)年、「十七条の憲法」が成立した日となります。「一に曰わく、和を以って貴しとなし」は有名なフレーズですね。仏教の基本も、楽しく仲良くです。「和」が何よりも大切で、争うことをせず、とことん話し合っていけば、物事はうまく運ぶというような内容が書かれています。この言葉を1400年以上も前から今に引き継がれて知ってはいますけれども、なかなか行動に表せない私たちなので、気持ちを引き締めなおさないといけないところです。

 さて、昨日は甘茶についての話題でしたが、その甘茶なのですが、私はてっきりお茶に砂糖を入れて作ったものだと子どもの頃は思っていたのですが、そうではないのですよね。

 アマチャという植物が存在するのですね。アマチャヅルとは名前がよく似ていますが、別物です。アマチャは、日本の中部山地に稀に自生するユキノシタ科のヤマアジサイの甘味のある成分変異株のことです。現在市販されているものに天然物はなく、栽培されたものしかないとのことです。また、アマチャは生薬として用いられていて、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗菌作用、利胆作用があり、甘味の代用や、胃弱・食欲不振・利尿・口臭除去に茶剤として利用されているようです。甘さは砂糖の1000倍で、カロリーゼロだそうですよ。

 アマチャの葉は夏に採り、水洗いした後、約2日間、日干しにします。これに水を噴霧して、むしろをかぶせて1日間発酵させた後、手で葉をよく揉んで、さらに乾燥させて仕上げるそうです。このように調製すると、葉に甘味が生まれ、縮んでしわが多数あるアマチャの完成です。

 アマチャの産地である長野県の佐久市では、お祭りの際にはアマチャが振舞われる風習や、アマチャを御神酒として御供えする風習もあるそうです。さらに、アマチャには防虫効果もあると信じられており、墨にアマチャを混ぜてすり、白い紙に虫よけのおまじないを書いて戸口に貼ったり、室内の柱に逆さに貼るといったユニークな虫よけの風習もあるそうです。(養命酒『元気通信』から)

 砂糖の代わりにダイエット甘味料として使うのはアリですね。今日も楽しい一日を。