紙垂

雙林寺本堂
 雨上がりにて曇り空の京都東山です。ここ数日、雨が降ったりやんだりと不安定なお天気となっています。

 さて、雙林寺には聖天さまをお祀りしていますので、本堂には注連縄を張っています。聖天さまは不浄をお嫌いになるので、私たちが注連縄を通ることで諸々の穢が祓われてからお参りできるようにしてあるのです。鳥居にも同じような意味があります。つまり、ここの堂内は清浄な仏さまの世界であり、障りを起こす神々や悪魔はここからは入ることができないということになっています。

 その注連縄には白い稲妻のような形をした紙片がついています。「紙垂(しで)」といいます。これも、穢れを祓い清めるお祓いの道具のひとつで、また、聖域をあらわす目印にもなっています。神社ではよく見かけますよね。「御幣(ごへい)」に「玉串(たまぐし)」それから神主さんがお祓いをする時に使用するいわゆるお祓い棒の「大麻(おおぬさ)」という道具にも、たくさんの紙垂が結びつけられています。この形は「稲妻」のようにも見えますが、これは稲妻が邪悪なものを追い払ってくれると信じられていたからだという説があるそうです。

 したがって、私たちも鳥居や注連縄を通るときには、気持ちを落ち着けて、心を清浄にして、これから仏さま、神さま、聖天さまのお住まいに入らせて頂くのだという気持ちを持つようにしましょう。今日も楽しい一日を。