年度末ですね


 曇り空の京都東山です。雙林寺周辺の桜は少しずつ散り始めましたが、朝早くから外国人観光客の方が散策されていたりで、連日賑わっています。

 さて、今日は年度末になります。多くの会社や団体、学校では、今日で会計の決算をしたり、仕事の区切りをします。雙林寺も年度末ですよ。

 また、この時期は、入学、卒業、就職、転勤、異動など、大きく環境が変わる人も多い季節です。新しい環境での生活に意欲的な方もおられるでしょうし、いよいよその時が来たかと、終わりを知らされる方もおられることでしょう。このように、日々物事は変化します。楽しいことも悲しいこともいつまでも続かないですし、止まない雨もないように、常に変わりいきます。そうそう、COVID19対応も変化してきており、マスク着用が自由化になり、5月8日からは感染症法上の位置づけが5類へ変更されるそうで、いよいよ「With コロナ」が日常となってきそうです。

 お寺では桜が咲くころに、花を「無常」の象徴として法話で語られることがあります。桜の花は満開でも、すぐに散り始めてあっという間に葉桜になってしまいます。花が咲けば散って実がなり、その実が土に落ちると芽が出て、苗木はやがて育って樹となり、また花を咲かせる……という無常のたとえです。無常というのは、常が無いということですね。いつまでも変わらないものは何もないと仏教では説かれています。諸行無常です。

 さらに花は誰の為にでもなく、時期が来れば見返りを求めることもなく、周りの人を楽しませるように咲いて、静かに散っていきます。このように、私たちも「忘己利他」の精神で一隅を照らす暮らしをしたいものですね。

 それはそうと、年度末はバタバタと忙しく疲れますから、公園などへ赴いて桜を鑑賞しながら、ホッと一息、気持ちを休めてくださいね。今日も楽しい一日を。